No.755 法要

去る5月5日、祖父の三十三回忌、祖母の三回忌の合同法要を行いました。

実家がもらい火で燃えてしまいましたので、正月に集まることができなかった親族が久しぶりに顔を合わせ、法要後の食事を楽しく囲んで、有意義な時間を過ごさせていただきました。

祖母はまだ記憶に新しく、「もうそんなに時間が経ったのか」と驚くほどですが、祖父が亡くなったのは平成5年ですから、本当に懐かしく思い出話に花を咲かせることができました。

法要は、忘れかけた感謝の気持ちを思い出させてもらえる、とても貴重な機会だと思います。

企業経営にとっても、「感謝の気持ち」はとても大切な要素です。

好ましい企業文化を醸成するためには、次の5つの要素が大切です。

(1)同一の問題意識(危機感)

今、どれほどの努力がなされ、改善が進行していようとも、それだけで企業の成長や発展が確保されるとか、自己の成長や生きがい感が得られ続けるといった“現状安住”の考え方を排し、いかなる状況においても、常に現在および将来に対する問題意識(危機感)を持ち、より一層の改善を実現していこうとする心情。

(2)共通の価値観

組織構成員がある事象に直面したときに、その事象に対してどのような価値を認めるかについての考え方・見方が共通しているという状態を指し、同じ方向に向かって一致団結して行動しようとする 気持ちを生み出す源泉となっているもの。

(3)自信と信頼

自信とは、自分の持っている能力、価値、可能性などを心から信じる気持ち、自分の存在を頼もしく思う気持ち。自己への信頼は、市場や顧客への影響力・説得力を生み出す源泉となる。また、具体的な経営成果を実現するためにも必要なもの。

信頼とは、他の持っている能力、価値、可能性などを心から信じる気持ちであり、お互いを頼りがいのある存在として認める気持ち。仲間への信頼は、組織に関連する人々が、各々の力を結集し、経営成果を維持・継続するための礎となる感情である。

いずれの感情も、積極的でチャレンジングな行動を生み出すために必要不可欠なもの。

(4)感謝の気持ち

自分が現在の状態でやっていけるのは、他者・他物から受けた力添えの結果であることに気付き、心からありがたく思う気持ち・心情であり、他者・他物に対して貢献していこうという意欲や献身的行動を生み出す元となる感情。

自信と信頼という感情は、放っておけば過信や増長、あるいは馴れ合いに変質し始める可能性がある。この感謝の気持ちは、これらの悪しき感情の発生を抑制し、より高い視点に立った使命感、貢献意欲、献身的な行動を生み出す原動力となる。

(5)高い欲求水準

今どんなに好ましい状況にあろうとも、その状態に満足することなく常に自己を律しながら、もっと素晴らしいものや状態を獲得していこうとする欲望を持っていること。そのような欲望が鮮明に意識され、現実の可能性が明確になればなるほど、困難に妥協せず、粘り強く行動したり、根気強く物事を追求していこうとする姿勢が引き出されてくる。

中でも「感謝の気持ち」はその中心をなす要素です。よって経営者は、常に感謝の気持ちを意識することができる環境を作り続けていかなければなりません。

個人においては、法要のような世界一古い歴史を持つ我が国のご先祖様たちが残してくれた機会を大切に守り、感謝の気持ちを思い起こす機会を大事にしていきたいものです。