No.790 探恩

先週のコラムの題材であった、家系図を作成するプログラムを取り入れた研修を実施しました。その時にお話しした内容を、少しだけお伝えしたいと思います。

以前、千年経営研究会の総会にて講演をしていただいた、公認会計士で一般社団法人人間力大学校理事長の天明茂先生は、家系図について、

「先祖一人ひとりの性格、能力、想い、願いは、連続して止まらない生命の中に凝縮され、幸せ情報が詰まったハードディスクの中に保存されている。家系図は、このハードディスクの一部を取り出して、目に見える形に(見える化)したものである。」

と仰います。また、天明先生の恩師、薄衣佐吉先生は、

「家系図は、世界でたった一つの自分だけの教科書」

と言われていたそうです。今回の取り組みで、何となくその意図がわかったような気がしています。

そのような目的を果たすためには、単に家系図を作るだけではだめで、ご先祖様の「性格」「生い立ち」「仕事内容や仕事ぶり」「経済状況」「人間関係」「健康状況」などを調査し、その人となりを調べる必要があります。

ご両親やおじいちゃん、おばあちゃん、または親戚などでわかる方がいらっしゃれば、じっくりとお話を聴く機会を設ける必要があります。もしわからないようであれば、菩提寺の住職や住んでいた土地の知り合いに聴いたり、先祖が残された日記などの記録を調べたりしながら、調査を進めていきます。今回の研修では、これを宿題として、次回までに調べてきてもらうように指示しました。

その中で私は、繰り返し

「家系図分析の目的は、感恩力を高めることにある」

と伝えました。

振り返ってみると、現代に生きる私たちの感恩力、すなわち恩を感じる力は、ご先祖さまたちに比べて著しく低下していると思います。毎朝、仏壇や神棚に手を合わせる。毎食、家族が作ってくれた食事を手を合わせていただく。自然との交わりの中で畏敬とありがたさの存在を繰り返し伝えられる。そのような機会がなくなってしまった現代人に、「感恩力を高めろ」と言っても、にわかにわかるものではないように思います。

そこで大切なのが、「恩を探すこと」換言すれば「探恩力を高めること」だと思います。

毎日毎日、身の回りに既にある恩の存在を探す習慣をつけることによって、感恩力は自ずと高まってくると思うのです。家計分析は、その探恩力を高める最高級の取り組みの一つなのだと思います。

皆さんもぜひこれを機に、家系分析に取り組んでいただければと思います。