No.771 ロープレ

先日、社内のロープレテストの相手役を務めさせていただきました。

入社半年の新入社員が対象で、一人でお客様のところへ訪問できるレベルに育っているかを確認するためのテストです。

社長役となった私に対して、決算月の3か月前に訪問し、当期の決算予測の説明と、それに伴う対策提案を行うというものです。

ドアノックから入室、挨拶からのアイスブレイクトークに始まって、今回の訪問の主旨説明から、最終的に面談内容を記載した報告書にサインをいただくまでの一連の流れを20分で実施してもらいます。

配属の可能性のある部署のマネージャー20名ほどが審査員ですから、かなりの緊張感の中で実施されます。さらに目の前には私。相当のプレッシャーがあったことでしょう。手の震えが止まらない者もいて、少々申し訳なさも感じながらの対応となりました。

8名の受験者それぞれの個性が出ていて、私にとっては楽しいひとときでしたが、合格者は半数の4名。残りのメンバーは、後日再受験となりました。

お客様に説明する若手社員の横に座り、その対応の確認をすることはよくありますが、説明を受ける側に立ってみると、これまで気づかなかった大切なことが見えてきました。

また、物腰はとてもよく一生懸命なのは伝わるけれども、専門用語と数字の羅列で言いたいことが伝わってこない者、フィラー(「えっと」「あのー」などの繋ぎ言葉)が多く、説明が耳から入ってこない者、笑顔がなく言葉がつっけんどんで、聴く気が失せてしまう者などなど、それぞれの課題も明確になりました。

一方で、聴いている私が感動するほどかゆいところに手が届き、「もっと話を聴きたい」「もっと話をしていたい」と思える者がいました。

教育担当スタッフには「これを名南標準にしてください」と指示しました。かなり高いハードルだとは思いますが、やはり最高・最良を目指すことが大切です。頑張ってもらいたいと思います。

改めてロープレは、とても大切な取り組みだと感じました。

特にどんな対応をしているか見えない営業職などでは、定期的に実施されるとよいでしょう。お客様の心に響く言動、立ち居振る舞いは、経験年数とは比例しません。一方、お客様の心に手が届く対応ができれば、業績アップは間違いないでしょう。まさに“儲ける経営”ではなく、“儲かる経営”の要です。

また、管理者対象の社員面談などでも有効だと思います。目の届かないところで行われる対人対応について、ぜひ一度ロープレの実施を検討してみてください。